台所薬膳

教科書的”中医薬膳の基本”から陰陽五行と食べ物の関係性を学ぶ

中医学陰陽五行学説と食べ物について

陰陽五行学説は2つの概念です

陰陽五行学説は中医の理論でもあり中医薬膳でも基礎になります。陰陽五行学説は2つの概念です。

陰陽学説では自然の万物の性質と変化を説明していきます。

五行学説では 5つに分類することで物事の発展や変化やバランスの取り方を考える学説です。

中医薬膳は、中医学の五行学説に基づき五臓六腑のバランスを食薬で整え ていきます。

また陰陽学説は日本の懐石料理などの基本的な理論であり、二十四節気などで、実はすでに みなさんは【陰陽学説】に触れています。

陰陽学説とは

自然界の太陽や月などの観測をして昔の人はは四季を知り、月日の目安としていました。

こうしてできたのが暦であり二十四節気です。寒くなったり暖かくなったり。朝になったり、夜になったり。

こうして 自然界の陰陽という概念が出来ました。

 

陰陽学説を現すのが二十四節気太極図

太陰暦に基づいた二十四節気太極図です。1年を24に分けています。 この陰陽学説の24節気の太極図は陰陽学説の理論のすべてが詰まっている大切な図です。

 

陰陽学説と食べ物の関係

中医薬膳学では食べ物も陰陽学説に当てはめる

中医学では人間も自然のうちのひとつという考え方により中医薬膳学では食べ物も陰陽学説に当てはめて考えます。 例えば《陽》は甘味・辛味、《陰》は酸味・苦味というように。 (ちなみに人間の五臓は陰で、六腑は陽です。) 陰陽学説は中医学では不調の状態を陰陽に分けて考えます。食べ物の陰陽と体調の陰陽を組み合わせた食事療法が中医薬膳です。 陰陽学説は反対のもののバランスの理論です。健康的な状態では陰陽のバランスがとれている【陰平陽秘】です

陰陽バランスを整える食べ方

中医薬膳のポイント

黄帝内径にある“【陰陽の虚実盛衰】を見極め、それに合わせて薬食を食べて陰陽のバランスを整える”が原則。

陰陽のバランスの考え方は中医薬膳ではとても大切です。

五行学説とは

すべては木火土金水 から

五行学説とは自然界のすべてを五つに 分類して考える中国の古い学説です。中医学では
木火土金水がベース。 そうです、風水理論と同じですね。

 

この木火土金水5つを象徴と考え、似ている性質を当てはめ考察していきます。 臓腑は五臓、肝心脾肺腎というように。

薬も食べ物も五行で分類

食材と生薬なども五行学説により分類して考えていきます。


食材や生薬の性質も熱性・温性・平性・涼性・寒性の5つ
に分類。

味わいも酸苦甘辛鹹に分類。 鹹はカンと読み塩味。 食材や生薬など中薬ではこれらの性質を四気五味シキゴミと呼び基本情報とします。(平性や淡味を合わせ五気六味ということも。)

五行学説では自然と人間の万物すべてを説明していきます。

中医の季節は春・夏・梅雨(長夏)・秋・冬 の5つに。《五季》

食べ物の 色味は《五色》、青赤黄白黒の5つに。

これらの五行学説では特に五味と五臓の関連性により味が臓腑の働きに影響すると考えている大切な考え方です。

陰陽五行学説と食べ物の関係を利用する中医薬膳

これら2つの学説、陰陽学説と五行学説を2つ合わせて陰陽五行学説と呼びます。 中医学ではの基本理論である陰陽五行学説は食事、食材と自然・人間が密接に関係していることを示しています。

 

中医薬膳学は体の陰陽五行の状態と食べ物の陰陽五行の両者を適切な組み合わせにより理想的な体の状況、ニュートラル(中立)な平和体質を目指す料理です。

だから
あなたの体は、おかれた環境だけでなく、五行学説による 五臓と五味のほか、自然に基づく、二十四節気の陰陽学説とも関連しているのです。

一番簡単な薬膳は旬の食材を取ること

だから 二十四節気の陰陽学説にあわせて、旬に合わせた食物をとることも大切です。
簡単なようですが、 季節を無視しないで、季節感を大切にして、季節に順応した自然界の陰陽にあわせた生活をすることが、 あなた自身の体の 陰陽バランスが整い、毎日が快適だと感じるようになるんです。 つまり 旬の食べ物をとることを薬膳では大切にしているんですね。 あなたも陰陽五行学説に基づいて食べ物を見直してみませんか?

本格薬膳は食べ物の陰陽五行を使いこなす

味は臓腑と関連

中医薬膳では、食べ物で体調を整えていきます。 中医学で方剤(漢方薬)を使うように、食べ物の力によって、臓腑気血を調え、体の陰陽バランスを整えていくのが、薬膳です。 これはまた食薬の五味を通して五臓が機能していくことを意味しています。 《素問》では、【五味が口から入り、五臓が滋養されて五臓の気を補い、バランスのとれた生活ができる】としています。 この五臓と五味の関係は・・・・

 

酸味は 肝 に入る

苦味は 心 に入る

甘味は 脾 に入る

辛味は 肺 に入る

鹹味(かんみ)味は 腎   に入る

 

つまりこれらの5つの味が五臓の機能に作用するという理論で薬膳をしていくのです。

注意したいのは、 五味の使いすぎ 自分の体質にあわないものを使う(自分の体質をしることが薬膳のスタートです) ことによって、逆に自分の臓腑陰陽のバランスが崩れてしまうのです。

この臓腑陰陽の崩れたバランスが、《不調の原因》です。だからこそ、自分の体質を知り、それに合わせた自分に適した 食べ物をとることが大切です。